【きもの楽庵】こだわりの本場大島紬の「雨傘」作りました!

およそ、2年がかりでお作りしました雨傘が、
こちらの本場大島紬の・・・

この傘を作ろうと思ったのはおよそ2年前くらいで・・・。
日本の名だたる自動車メーカーさんが、そのブランド独自の傘を作られたのを知り、見させていただいたのですが、なんか、ピンとこなくて・・・。
そうしているうちに、傘職人さんと出会うことが出来、だったら、
納得行くものを作りたいと思いまして・・・。
昭和のはじめころまでは、傘といえば絹傘が主流だったらしいのですが、
(パラシュートの生地なども絹だったようです。)
戦後、化繊の生地が出回るようになって、傘がどんどん安価なものになっていたそうで・・・。
そして、本来、雨傘用の生地は、広幅でおるものをしようするらしいのですが、
現在は織られていないので、小幅のきもの用のものでやりくりしました。
ところが、傘というのは意外と、大きな名が三角形の生地を取らなくてはならないために、今回は、あえて柄も考えながら、ハギをして作ることに・・・。

まず第一に、持ちての感触が大事だと思いまして、
まずは持ち手を制作していただくことに!

 

触っていただいた方は皆さんしっくり来るとおっしゃられます。

その後、持ち手に合わせて中骨を作っていただき、

 

その後に、生地を貼ってもらいました。
生地は、軽くて撥水性が高いものということで「本場大島紬」の生地で!

 

外周の部分は、「80亀甲の男物」で、内側は「9マルキの女性もの」を使って・・・。正直、蛇の目と同じお大判で作りましたが、上質な大島の生地を使用しましたことで、かなり軽量に出来上がりました。

もともとの大島の生地の風合いと撥水加工で、水は完全に弾きます!

 

なかなか洒落ているでしょう!

  

きものでも雨に濡れない十分な大きさですが、かなり軽く出来ました。

そして残裂で「傘袋」とこの傘をいれる箱も作りました。

 

柄のところには、藤本染芸さんで染めていただいた生地を枕にして、
柄が傷つかないように!

正直、これならば、日本の技術が誇れる傘が出来たと思っています。
こんな傘を差したら、雨の日に、着物を着ることもグッと楽しくなると思います。

実物を是非触りに、お店に遊びにいらしてくださいませ。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也