【きもの楽庵】紳士の雨コート

着物を着る方は意外とあると便利なもの…。それは、雨用品!
中でも、今回は、塵除(ちりよけ)兼用で使える「雨ゴート」!

楽庵に、紳士の方で着物をこれから始めて着ていきたいとご相談される方に
よくお話するのが、通常は、まず着物を用意して、その後、羽織と、いうふうにご用意していかれる方が多く、又、着物も一枚では満足できなくなり、いろんな素材や色のものを買いたくなっていくのが普通だと思います。

だけど、楽庵では、まず、自分の体にあった寸法の着物をちゃんとお作りいただき、次に、帯は、一生物なのでちゃんとしたものを、少し高くても手に入れておくべき、そして、雨用品、着物用の和傘や塵除け兼用の雨ゴート、雨用の履物を、まず、ちゃんとご用意しておかれると、良いと思います。…と、お話します。

と申しますのが、着物を着ていくシチュエーションは、冠婚葬祭とか、何かしらの儀式など、天候に左右されて、日取りを変更できないことが多いもの。
又、ご友人などと食事に行ったり、飲みに行ったりする際に、天候が悪くても、きちっと着物着こなしていると、評判が上がるからです。

なので、こうした塵除け兼用の雨ゴートを持っておかれれば、防寒ゴート代わりにも着れるし、雨の日も安心してお召いただけます。

昔は、既製品などでもこうした物を作ってくれるメーカーが有りましたが、
近年は、なかなか、そうした余裕があるメーカーが無いので、既製品では手に入りにくいものになりました。
又、コート丈も、ちゃんと合うものを探すことは、ほぼ不可能だと思います。

ですので、合繊の素材でもいいですし、最近良く注文をされるのが、昔の大島の着物からこうしたコートを作らせて頂くことが多いです。

袖に袖口を剥ぎますので、おばああちゃんやお母様の残してくれた女性の着物や裄が合わなっかたり、着丈が短かく、着れなかったおじいさんやお父さんから残されたお着物などでもお作り出来ます。

そうした中でも、大島紬の着物は、意外と残されていることが多く、
雨も弾きやすく、軽くて塵除け兼用のコートを作るのに最適な素材です。

なので、使いみちに困っていたけれど、捨ててしまうわけにも行かない大島などのお着物を有効利用されてはいかがでしょうか?

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也