【きもの楽庵】お履物の誂えのお問い合わせ頂きました。=紳士物編=

ホームページをご覧いただきましたお客様にご説明する第二段で「紳士物」を
ご紹介させていただきます。

↑定番の「本畳の雪駄」「さんのいち」(天と底革に挟まれた段数でこう言います。)

↑竹網代の「からす畳の雪駄」「さんのいち」


↑合皮の中でも耐久性のあるビィトンのモノグラムの素材の紳士マット草履台 №1

↑合皮の中でも耐久性のあるビィトンのモノグラムの素材の紳士マット草履台 №2

↑本真綿入の帆布の紳士の草履台 №1

↑本真綿入の帆布の紳士の草履台 №2

↑スティングレイ(エイ革)の紳士草履№1

エイの革は、コンクリートより硬い石英質のものが、革の表面を多ていますので、丈夫で耐久性があるので、お財布などにも使われ、高級品とされています。

↑スティングレイ(エイ革)の紳士草履№2

↑スティングレイ(エイ革)のスターは、1匹に1つなので、二匹使ってしか出来ません。

点に本真綿入のお草履は、底の革の色も選ぶことが出来ます。

↑左は、焦げ茶の底革を付けたもの。右側は、通常の「赤革」と言われる本革の底


↑上から、血赤、濃紺、茶、濃緑、焦げ茶

表面にのみ着色しているのではなく、底革を一ヶ月ほど染料に漬け込んで、中まで色を浸透させているので、底が、すり減っても色はなくなりません。↓

北海道のお客様が実際にお誂えになられた物↓
シャンパンゴールドの帆布の本真綿入りの台で、底革は濃緑、鼻緒は大島の生地でオリジナルで作りました。

今は、もう職人さん亡くなってしまい、作れないのですが、本革型押しの台に
ジュンタイ江戸小紋の残り裂で誂えた鼻緒をおすげした名古屋のT様のお誂え↓

↑底革の厚みがしっかりあるものは、長距離歩いても疲れにくい!です。

紳士の鼻緒いろいろご紹介します。


↑楽庵オリジナルの鼻緒
左から金田朝政作の手付江戸小紋の鼻緒、ジュンタイ江戸小紋の鼻緒、科布の鼻緒、金田朝政作の手付江戸小紋の鼻緒、天蚕糸の帯地の鼻緒


↑楽庵オリジナルの鼻緒
左から紅花紬の鼻緒、科布の鼻緒、ジュンタイ江戸小紋の鼻緒、帆布柿渋染の鼻緒

←「角仕立」(つのしたて)といって、鼻緒の前坪の厚みが出ないように鼻緒本体を台形型に折って仕立てします。

厚みが少なく足への当たりが良い。

↑上が通常の西におおい追っただけの前坪のところ、
下は、東でおおい江戸前仕立ての「角仕立て」で、厚みが薄く、
比べるとよくおわかりいただけると思います。

鼻緒の紐も、なるべく麻ひもでお仕立てしてもらっています。


上の白いものが今多い綿の紐
下が麻の紐

お値段は若干かかりますが、雨など濡れることにも強い麻紐をなるべく使っています。

台の色目につきましては、女性編で掲載していますので、
御覧ください。

【きもの楽庵】お履物の誂えのお問い合わせ頂きました。=女性物編=
http://rakuan.jp/archives/3444 を御覧ください。

Youtubeにも、いろいろUPさせて頂いておりますので、お時間ございましたら、
ご覧くださいませ。

いくらかでも、お客様のお役に立てましたら、嬉しく思います。
なにかおわかりにくことございましたら、お気軽におといあわせください。

新品の購入だけでなく、お直しやお手入れのご相談も賜ります。

きもの楽庵 代表 児玉 文責

 

【きもの楽庵】お履物の誂えのお問い合わせ頂きました。=女性物編=

メールできもの楽庵のホームページをご覧いただき、
お履物のお誂えに付きましてご相談賜りました。

基本は、お店にいらして頂き、実際に触れてご納得いただいて
お求め頂くことをお願いしております「きもの楽庵」なので、
特に通販ページなどをお作りしておりませんが、
ご遠方などで、どうしてもお越しいただけないお客様には、
個別で対応させていただいております。

今回、お問い合わせ頂きましたK様も、ご遠方とのことで、
【お誂えのお履物】に付きまして、
その形状、革や帆布のお色目や楽庵で取り扱っております鼻緒などについて
お話させていただきます。

最近、一番人気なのが、お草履の足を乗せるところ「天」(「てん」といいます)に、植物性の綿花の「本真綿」をクッション状に入れましたお草履で、
「本当に疲れにくい。」と評判のものです。

実際のお写真がこちら。帆布(帆船の帆を染めたもの)の本真綿入り草履(女性物)


よく楽庵でお客様にお話することに、「良いものは、そのシルエット、姿が本当に美しい。」と。きれいなフォルムですよね…。

↑底のほうが点に比べて、少し小さめのカーブのシルエット
(お履きないなったときに、スッキリ見えるお草履の形です。)

 

↑本真綿の台をカットした断面図(天にこんもりと真綿が入れられているのが見れます。)

↑これだけの本真綿が入っております。

↑クッション性の感じ!

あるお客様のでお作りしたもののがコチラ

それと、つい最近、発表されたものが、コチラ。
舞妓さんの「ぽっくり」のようで、非常にはんなりしていますが、
スクウェア型は、シャープにも見える独特の形です。

 

 

角度によっては、こんなにこんもりと本真綿が入れられている感じに見えます。

ウェーブ型と言って、通常のもののように、天が斜めに傾斜したものでなく
前つぼ(足の親指と人差指の付け根)が痛くならないタイプもございます。

その他にもリング天といって、天の縁を丸く囲むことで、足が小さく見えて
可愛い御御足に見えるデザイン↓

今は、もう作れないビーズの手刺繍のものや↓

くるみの網代組の天を乗せたお草履↓

網代組の竹を点にのせたお草履↓

本パナマの手組みのお草履↓


などいろいろ取り扱っております。

台の段数についてですが、西の物は、一段物のほうが上等とされ好まれる傾向があります。↓

一方、東の江戸前は、段数を重ねるのは、職人の腕の良さを見せるところと言って、段数を重ねたものを好む傾向があるように思われます。↓

お店でよくお客様にお話させていただくことに、落語の「江戸の花見」では無いけれど、大きなコルクを存分に型抜きして使えた西(京物)に比べて、
薄いコルクしか使えなかった東(江戸物)は、技術でそれを補って、潤沢に使えないことを技術的「粋さ」で、補ったのでは無いかと思います。

表面の生地は、帆布と本革で、かなり多い色目があります。
色目のものなので、ディスプレイの差などによって色目や感じが変わるので、
色のみスキャンしたものと、写真で撮ったものとを載せさせていただきます。

 

↑Scan 帆布色目№1

↑写真 帆布色目№1

↑Scan 帆布色目№2

↑写真 帆布色目№2

↑Scan 帆布色目№3

↑写真 帆布色目№3

↑帆布生地拡大画面

帆布のサンプル色と実際の台↓

↑Scan 本革エナメル№1

↑写真 本革エナメル№1

↑Scan 本革エナメル№2

↑写真 本革エナメル色目№2

 

↑本革エナメル拡大表面感じ

↑Scan 本革マット色見本

↑写真 本革マット色見本

↑本革マット拡大_表面感じ

 

色・ツヤ含めいろいろな感じがあります。

鼻緒もいろいろな種類がございます。
最近一番新しく作られましたのが、お財布などで人気の「文庫革」の鼻緒で
はんなりお洒落です。↓

手組みの正絹帯締めを本天の上質な輪奈ビロードで鼻緒にした「組紐」
足への当たりが絶品で、今では、このレベルの本天を使うものはほとんどありません。↓

コチラも、浮舟幽玄の手組の帯締めで作った鼻緒↓

院蔵裂の組織りの帯地の鼻緒↓

本場筑前博多織の帯地で作った鼻緒
「遊丁」という前坪の鼻緒で、当たりが少なく足が痛くなりにくいもの↓

↑鼻緒本体に穴を開けて前坪を付けた

もの

↑前坪のところの鼻緒の高さが少なく、当たりが少ない。

↑本革の鼻緒で、右から、手描き友禅×2、研き出しという「唐革」鼻緒、金彩の鼻緒

白の帆布で、鼻緒のサイドに少しだけ色目のあるの繊細な鼻緒↓

鹿革に本漆の「本印傳(ほんいんでん)」の鼻緒↓

コスト重視のシルク印傳の鼻緒↓

今は本当に珍しい「うるし佐賀錦」の鼻緒↓

西陣袋帯生地の鼻緒↓

↑足の当たりが非常に良いもので、素足でも足袋でも快適な「本天輪奈ビロード」草履はもちろん、下駄でもOK!

金彩の帯地の鼻緒↓

正絹生地の鼻緒↓


名物裂の鼻緒↓

ラインストーン、刺繍、帯地の鼻緒↓

帆布印傳、小千谷縮の鼻緒↓


楽庵オリジナルの着物生地などを使った鼻緒

↑「楽庵オリジナルの鼻緒」左から、紅花、科布 ChulThai江戸小紋、柿渋帆布の鼻緒

↑「楽庵オリジナルの鼻緒№2」左から、黄金糸、琉球花織、組み織り、紅花、天蚕糸帯地の鼻緒

こうした組み合わせで色々なお草履を別誂え出来ます。
昔は、台から全てお客様の余り裂で作ったお草履なども流行りましたが、
生地のコーティングが経年変化で浮いてしまうことが多いもので、
最近は、鼻緒のみお客様の生地でお作りして、スゲさせていただくことが多いです。
お客様の生地をお持ち込み頂いて、鼻緒からお作りすることも出来ます。

↑コチラは、紳士の方ですが、大島の着物をお作りなられた方が、

鼻緒を残り裂でお作りしてすげたものですげたものです。

今回は、女性物を中心にメインとなるものをUPさせて頂きましたが、まだまだ希少な台なども、沢山ございますので、また、書かせていただきます。

動画でも、いろいろ説明させていただいておりますので、お時間あれば御覧ください。

きもの楽庵 児玉 文責

 

 

 

【きもの楽庵】北海道のT様より、「お家でジャブジャブ洗える本葉大島」の初おろしのご報告

先日、夏前にわざわざ、旭川から「楽庵YouTube チャンネル」をご覧頂きまして、楽庵へ2泊3日もの余裕を持って、
ご来店頂きました北海道のT様より、
秋になって、お誂えされた「お家でジャブジャブ洗える本場大島紬」の初おろしのご感想と、お写真をメールで頂戴いたしました。

足元のお草履も鼻緒を大島の残り裂よりお誂えして、「本真綿入りの帆布の紳士草履」に挿げられたお履き物で、「本当に疲れない履き心地にびっくりしました。」という御報告が…。
見た目のフォルムも本当にスーパーカーのような流線型の美しいフォルムで…。
 

その履き物は、思わず撫でまわしたいくらいの美しさ!
そして、さらには、底革にもこだわって、表の帆布の”シャンパンゴールド”に対して、深いエメラルドのようなグリーンがなんとも美しい。
この底皮も表面のみ塗装したものですと、すり減ってきたとき色がなくなってしまうものですが、こちらの底皮は、染料に一か月近く浸して染めたもので、芯までしっかり染まっています。(その感じは、下部の写真のサイドをご覧いただいても、顕著にわかると思います。)

 

サイドのお写真を見てもわかるように、かなりしっかりした厚みで、その本皮のクッション性が、本絹真綿の天のクッションと相まって、抜群の履き心地になります。

「覗き」に仕立てた鼻緒の大島の薄鼠の色とのコントラストもなんとも美しい!


生地感は、直に触れていただかないと、その「滑らかさ」「艶」「しっとりさ」は、伝わり難いと思いますが、写真からも、そのモアレからも「風合いの良さ」が伝わると思います。

洗える正絹の居敷当ての色もこだわって、ちょっと色気のある赤紫色で!

大島紬は、本当に、水に通して頂く回数が多いほど、その柔らかさ・しなやかさがどんどん増してくる着物ですが、最初から、お家の洗濯機でジャブジャブ洗えるように「環境収縮加工」をさせて頂いておりますので、最初から抜群の風合いをかもし出します。

さらには、お召しいただいた時の裾さばきの感じは、
もう口では表せないほどの「心地良さ」!
(この感触を直に味わいたい方は、是非、楽庵へお越しください。私、児玉が着て、何度も洗っている大島を肌で、直に感じてください!)


お送りいただきましたお写真から、北海道は早くも「秋の気配」が、感じられ、大島紬と本絹真綿入りのお草履を楽しんでいただいている様子が、感じられます。

 

 

 

【きもの楽庵】オリジナルの正絹襷(タスキ)と、タスキの掛け方

YouTubeの「楽庵チャンネル」では、以前から、公開していたものの
ホームページへの UPをし忘れていました きもの楽庵オリジナルの
「正絹の着物用タスキ」のご紹介をさせて頂きます。
YouTubeの中では、タスキの掛け方も紹介させていただいておりますので、
ご覧ください。

オリジナルを作りました理由は、カッコ良く使い易いタスキがほしかったもので、通常のモスの腰紐などでは、滑りがよろしく無いもので、
結び目が袖付けの位置にみえやすく、
また、袖内に入れていると、重みでゴソゴソするのが嫌で、
正絹生地で作りました。

その縫製は、しっかりしました「三角仕立て」の仕立て方で、
長く使っていても、仕立てが崩れません。

 

柄は、人気の「鳥獣戯画」と「花簪(かんざし)」「七宝」で
お作りしました。

この利点は、「襷」としてはもちろんですが、私的な事で言いますと、  
以前に、娘の大学院の卒業式で、英国 Londonに行きました際に、
そんなに安宿に止まったわけでは無いのですが、hotelに洗濯物を干す
ワイヤーが設備されていなかったのです。

日本なら、ちょっとしたビジネスホテルでも、必ずと言っていいほど、ある洗濯物を干すワイヤーすらなく、どうしたもんかな?って、悩み、ハンガーに掛けるだけでは、袖の部分が乾かず、やはり、広げて干したいなっていう事で、
その際に、扉の金属部分と、シャワーのところのカゴに結びつけて、干すと言う経験をしました。

日本のものは、やはり便利なものだと、つくづく感じました。
洋服のベルトでは、こうは行きませんものね…。

こんなカッコよく便利な正絹のきもの楽庵オリジナルの襷(タスキ)のご紹介でした。

 

【きもの楽庵】お家で洗濯できる!本場大島紬に染めた「極鮫」の江戸小紋と「極の毛万筋ー竹節」完成!!

本場大島紬の白生地に染めた「極鮫」の江戸小紋と「極の毛万筋」の竹節が染め上がってまいりました。
配色的には、江戸時代の色の再現という事にこだわって、少しくすんだ色目にさせて頂きました。
聞くところによっては、江戸時代は、灯りが暗かったもので、鈍色と呼ばれる燻んだ色目が、綺麗に見えたとの事。
いわゆる「お歯黒」という文化なども、江戸時代の明るさゆえに綺麗に見えたとの事です。
えも言えぬ「凛」とした面持ちを醸し出しています。

 

早速、店頭でお客様にご覧頂きましたところ、皆さん口を揃えて、
大島紬とは思えないその滑らかでしなやかな「風合い」にビックリされます。
それは、染める工程で、何度も水入れして、又、江戸小紋独特の染め技法である「蒸し」という工程で、染めつけますため、
そんなに高額では無い今回の大島の白生地が、まるで、160亀甲や200亀甲の様な風合いになっております。
茶道をされているお客様が御覧になられても、
「これでは、紬だからと言って茶道で使えないとは言えない風合いだ。」と
おっしゃられてました。

柔らかくてしなやかで腰があるということは、
その風合い着心地は勿論の事、「皺にもなりにくい」という利点もございます。
さらには、お家で❗️それも洗濯機でジャブジャブ洗えるとなれば、
こんな快適なフォーマルシーンでもカジュアルシーンでもお召しになれる快適な着物です。
袴をつければ、お茶会はもちろんのこと、さらに羽織をはおれば、結婚式にでもお召し頂けると思います。
正直、大島と言うツルっとした生地に「江戸小紋」を染めるというのは、
作家さん曰く、小千谷で江戸小紋染める以上に大変で、
極など細かくなればなるほど、生地への糊の食いつきが悪く、
型染めで置いた糊がポロポロ取れてしまいやすいそうです。

また、大島という記事の特性からも、染めて「水もと」する際の折れジワが付きやすく、かなり神経使うとの事で、事実、楽庵でも最初の反物は、難が出てしまい、商品には出来ませんでした。
この大島紬の江戸小紋には、かなりの可能性が含まれていると思います。
長着は勿論の事、塵除け 、コートや羽織り、防水加工して雨コートなど色々な使い道があると思います。

何より、本当にしなやかで艶のあるその「風合い」に
是非、触れに来てください。