【きもの楽庵】長尺のロング着物ハンガーを取り扱い始めました。

従来品より約30cmも長いんです!!

写真の上のものが今回の長尺着物ハンガーで、下のものが従来の着物ハンガー!
比べますと、その差は歴然!!

紳士や裄の長い女性の方が、今までの着物ハンガーに着物を
かけると、袖口のほうが落ちてしまったり・・・、特に
洗濯後に干すために着物や浴衣をかけると、
変なシワが寄ってしまうということが多かったもの・・・。

そんな声がお客様から寄せられるもので、長尺の着物ハンガーの取り扱いを始めました!!

今までのものより、約30cmも長い約155cmのものなので、単純計算で、
約4尺1寸、裄にして2尺5分の着物までかけられます。

作りもとてもしっかり頑丈ですので、「打ち掛け」なども十分にかけられます。

今まで、袖が落ちるのが気になられた方に朗報です。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

【きもの楽庵】江戸小紋の可能性は凄い!「孔雀の羽根」のようなモアレの重ね型の江戸小紋

今までにない感覚の江戸小紋を作りました!

この全体画像では見えにくいですが、
この江戸小紋は「孔雀の羽根」のようなモアレが浮き出るのが特徴です。
拡大してみるとよーく見えると思います。

写真よりも実際の反物は、生地の角度を変えると、本当にそのモアレ感が
すごく出て、なんとも言えない感じなのです。

実は、この江戸小紋は、重ね型と言いまして、極鮫の型と万筋の型紙を
使って、二度糊置きをするとこうしたモアレが出る紋様に染まるのです。

 こうした「鮫」小紋と

「毛万筋」の型紙を使って

二度糊置きをするのです。
ただ、これを染めて頂ける「金田朝政」先生によると、
どちらを先に糊置するかとか、その型紙の細かさに寄って、
このモアレがきれいに出なくなってしまうそうで、それが難しいのだとか・・・。

試験的に染めて頂いた生地の端をご覧頂くと、二型を重ねているのがよく分かると思います。

 

こんな漢字に鮫小紋の方の上に万筋の型紙で二度糊置き下感じで、
あえて、その糊を色糊にしているのでよくおわかり頂けると思います。

実際の染め上がりはこんな感じです。(↓こちらは縮緬生地に染めたもの)

。(↓こちらは羽二重生地に染めたもの)

ツルッとした生地のほうがそのモアレはよく出ます!!

今回楽庵では、ツルッとしてさらに地紋が「杉綾」で織られた生地に
この「二重型」を染めていただいたので、さらに複雑なモアレ感が出ています。

こうした生地に染めて頂きました・・。
江戸小紋は、型紙も本当に彫れなくなってきていますので、
手彫り型の江戸小紋は貴重品ですが、
その染め方によって、まだまだ可能性のある染め物だと思っています。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

【きもの楽庵】着物をお召し頂いた後には、「着物専用ブラシ」で!

柄は木製で、天然豚毛の和装用「着物専用」ブラシ!!

お着物の着用後は、着物ハンガーに着物をかけて、湿気を取り、このブラシで
ホコリや花粉などをとってあげたいものです。

最近は、特に大陸から「黄砂」が吹くこともあり、特にコートなど、一日着ているだけで、お家に帰って、裾の折り返しを広げてみると埃で、
色が変わっていることも・・・。

よく、プラスティックのものや、化繊の植毛されているブラシもありますが、
デリケートな絹や天然繊維のお着物の生地を痛めてしまったり、
ブラッシングでかえって、静電気を起こしてホコリを吸着させやすくなるので、
なるべく天然素材のものが「お着物」には、よろしいかと思います。

大切なお着物を長くお使いいただくためにも、着物ブラシのブラッシングを心がけると、着用後の汚れやシミも早く発見できますので、必ず、習慣にされると良いと思います。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

【きもの楽庵】こんな雨傘なら雨の日の着物も心ウキウキ楽しくなりそう!

先日、UPした「本場大島泥染め」の雨傘(http://rakuan.jp/archives/3813)が
かなりいい感じで出来上がったので、女性物の華やかな雨傘もお作りしようと・・・。
生地は、同じく本場大島ですが、型絵染めの藤本先生にお願いしまして
少し明るい感じの「型絵染」を染めて頂き、お作りさせて頂きました。

今まで、綿紅梅の生地などに染めて日傘は作って頂いていましたが、

「雨傘」作ってもオシャレかな?と思いまして・・・。

 

本来は、ウチでは、染帯などを染めて頂いていました。

その染帯はこんな感じ・・・。

共生地で、傘入れもお作りしました。
こんなおしゃれな雨傘があると、雨の日の着物もとっても楽しくなりそうです!

 

【きもの楽庵】サラリとした単衣~盛夏用の生地「紗綾紗(さやしゃ)」を復元してもらいました!

かれこれ6~7年前に、たまたま、残っていた昔織られた紋柄の紗の生地で染められた「喪服」を手に入れてまして・・・。
これをご覧いただいたお客様が、その「サラリ」として皺になりにくい生地をとても気に入って頂き、色無地でも作りたいとおっしゃられたものの、現在ではもう織られて織らず・・・。
昔の方は、単純な絽に飽き足らず、こんなおしゃれな夏物の喪服を御召になられていたとは。やはり、きものが普段着であった時代は、おしゃれな方が多かったのでしょうね。

 

そうした中、どこかで又、織れないかといろいろな機屋さんにあたっていたところ、今はなき五泉の機屋、小熊さんにかつて織られていた職人さんがいらっしゃるとのことで、再度、織っていただくことに。

待つこと、一年近く、やっと再現して頂けました。
その名も「紗綾紗(さやしゃ)」という「もじり織で紗綾形を透かした紗の生地です。

 

この生地は、「もじり」の紗の組織なので、本当にサラッとしてそして何より皺になりにくく、そして軽く涼しいのに、透けすぎないという長所があり、本当に便利な生地です。

楽庵でも、無地染にしたり、喪服を染めていただいたり、江戸小紋の「金田先生」に江戸小紋染めていただいたりと、いろいろなものを作らせて頂きました。

まだ、在庫はいくらか残っていますが、これを織られた小熊さんも昨年廃業されてしまったので、もう、この素敵な生地は織ることができなくなってしまいました。

正直、もっとたくさんの着物好きな方が、こうした生地に触れていらっしゃったら、こうした織物も無くならずに済んだと思うと残念でなりません。

僕も、この業界で、約30年近く仕事してますと、こうした本当に良いものがあまり、知られていないために、絶滅してしまった物がたくさんあり、残念でなりません。

一度、作らなくなってしまうと、もう一度再現するのには、非常に大変な思いをしなければならなかったり、もう二度と作れなくなってしまうことも・・・。

正直、作るのは少し大変な事が多いですが、やはり、好んで使ってくれる方が多ければ作るのを止めないものだと思うのですが、世の中に知られないことが多いためになくなってしまうなんて・・・。

なので、微弱ながら僕は、楽庵では、ウチ限定で独占するのではなく、本当に良いものがいくらかでも残るように作ってもらいながら、問屋さんや同業者にもお分けして、いくらかでも世の中に知られて行けば、量産できるようになり、価格的にも、いくらかでもお手頃になり、より皆さんの手に入りやすくなり残すことができると思っています。しかし、甚だ微弱なもので、なかなか、難しいことですが・・・。

本当に、この業種をしていて思うのは、やはり良いものは、合理性とか大量生産とかは難しく、やはり、手を抜かないことでしか、作り得ないものだと確信しました。

もっともっと、日本のこうした技術が廃れないように残していきたいと思います。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也