【きもの楽庵】女性物の帯でお家で洗えるものとは?

先日、紳士の角帯で洗えるものという記事を、ホームページにお書きしましたところ、「女性物では何があるの?」というご質問を頂きましたもので、
ここに書かせていただきます。

女性物も紳士物と同じく、自然布の天然繊維と作られたものであるということが
重要なのと、八寸帯もしくは半巾帯などの帯芯を入れずに仕立てるものであることが重要です。

まず、お手頃なものでは、小千谷の吉新織物さんで作られた八寸帯です。

織り生地を拡大するとこんな感じ。

あとは、苧麻を使った「越後上布」の帯

織の感じはこんな感じです。

福島県昭和村の「からむし」100%の帯がこちら。

織生地のツルッとした感じが…こちら。

あとは、山形から新潟にかけての付近で織られた「シナ」という木の内皮を使った「シナ布、科布」というものです。シナ布の感じは…、こちら。

本当にざっくりした木肌の感じで…、織の拡大は、こちら。

北海道の「おひょう」という木の内皮を使ったものが「アットゥシ」織り。

シナ布よりツルッとした質感で、織の拡大は、

あと、小千谷の折田一仁さんの織る「楮」を糸にして織った「楮糸布」。
もじり織で柄を織りだしています。

あとは藤蔓で織られた藤布

玉那覇有公先生が、琉球藍で柄を染めたものです。

こうした原始布・自然布・古代布と呼ばれる草木・木の内皮などで作られた天然繊維で織られた帯で、帯芯を入れないで仕立てたものは、お家で洗うことが出来ます。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

 

【きもの楽庵】洗っても大丈夫な紳士の角帯とは!?

 

前回、お話したように、正絹の角帯は、基本的に自宅で洗えません。
生洗いなど、きもの専門の洗い方をしても、あまり良くない状態で
フニャフニャしてコシがなくなり、締りにくくなってしまいます。

それでは、一体、どんな帯ならば洗えるのか?と申しますと…、
麻か植物繊維か、木の内皮などを使った植物由来のものとなります。
こうしたものですと、お家でジャンジャン水で洗えますし、
洗うと新品のようにピシッと皺も伸びて、新品と見紛うように…、
更に締まり具合も変りません。

お手頃なものですと、博多の西村織物さんの「からむし」の角帯

小千谷の手紡糸の苧麻と機械紡績の苧麻とのまじりの麻の帯は、締りもいいです。

無論そうしたことで、一番いいのは、需要無形文化財の越後上布の角帯ですが、
お値段も貼ってしまいますもので・・・。

あと、変わり種ですと、小千谷の折田さんのところの楮糸布(とうしふ)と言いまして、和紙の原料の楮の植物の繊維を糸にしたもので、割れて切れないようにする特許をお父様の強さんがとっておられて、息子さんの一仁さんが手織りでおられています。通常は無地なのですが、こうした捩りのプロトタイプもございます。

もじりの拡大したお写真はこんな感じ。

あとは、北海道の「おひょう」の木の内皮を繊維にした「アットゥシ」というものも…。

こうした植物の天然繊維100%でおられたものは、お家でジャブジャブ水洗い出来ます。

僕自身色々使いますが・・・、無論、越後上布が一番いい感じの締まり具合ですが、予算に合わせて色々使ってみてください。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也