【きもの楽庵】北海道のT様より、「お家でジャブジャブ洗える本葉大島」の初おろしのご報告

先日、夏前にわざわざ、旭川から「楽庵YouTube チャンネル」をご覧頂きまして、楽庵へ2泊3日もの余裕を持って、
ご来店頂きました北海道のT様より、
秋になって、お誂えされた「お家でジャブジャブ洗える本場大島紬」の初おろしのご感想と、お写真をメールで頂戴いたしました。

足元のお草履も鼻緒を大島の残り裂よりお誂えして、「本真綿入りの帆布の紳士草履」に挿げられたお履き物で、「本当に疲れない履き心地にびっくりしました。」という御報告が…。
見た目のフォルムも本当にスーパーカーのような流線型の美しいフォルムで…。
 

その履き物は、思わず撫でまわしたいくらいの美しさ!
そして、さらには、底革にもこだわって、表の帆布の”シャンパンゴールド”に対して、深いエメラルドのようなグリーンがなんとも美しい。
この底皮も表面のみ塗装したものですと、すり減ってきたとき色がなくなってしまうものですが、こちらの底皮は、染料に一か月近く浸して染めたもので、芯までしっかり染まっています。(その感じは、下部の写真のサイドをご覧いただいても、顕著にわかると思います。)

 

サイドのお写真を見てもわかるように、かなりしっかりした厚みで、その本皮のクッション性が、本絹真綿の天のクッションと相まって、抜群の履き心地になります。

「覗き」に仕立てた鼻緒の大島の薄鼠の色とのコントラストもなんとも美しい!


生地感は、直に触れていただかないと、その「滑らかさ」「艶」「しっとりさ」は、伝わり難いと思いますが、写真からも、そのモアレからも「風合いの良さ」が伝わると思います。

洗える正絹の居敷当ての色もこだわって、ちょっと色気のある赤紫色で!

大島紬は、本当に、水に通して頂く回数が多いほど、その柔らかさ・しなやかさがどんどん増してくる着物ですが、最初から、お家の洗濯機でジャブジャブ洗えるように「環境収縮加工」をさせて頂いておりますので、最初から抜群の風合いをかもし出します。

さらには、お召しいただいた時の裾さばきの感じは、
もう口では表せないほどの「心地良さ」!
(この感触を直に味わいたい方は、是非、楽庵へお越しください。私、児玉が着て、何度も洗っている大島を肌で、直に感じてください!)


お送りいただきましたお写真から、北海道は早くも「秋の気配」が、感じられ、大島紬と本絹真綿入りのお草履を楽しんでいただいている様子が、感じられます。

 

 

 

【きもの楽庵】小さな着物男子の誕生です❗️

お正月に、自分の子どもにも着物を着せたいとおっしゃっていらしてくれたのは、楽庵オープン当初から10年くらいの間、良くお店に来てくれたお嬢さん。

彼氏も着物好きで、カップルで来られたりしていたお嬢さんが、なんと、結婚もされ、こんな可愛い子どもを連れて来てくださいました。小さな着物男子「スーさん」の誕生です!

お母さんのご要望は、化繊・ポリなどではなく、天然素材のもので、家でじゃぶじゃぶ洗えるもの・・・ということで、

今回、小千谷の紺仁さんの片貝木綿で、小学校高学年くらいまで着れるように、少し大きめに作って、肩揚げ・腰揚げをたっぷりとって、着せる様にお仕立てさせて頂きました。

何とか、お仕立てて頑張って年末ギリギリに納めることができまして、御正月に親子で着れるといって喜んで頂きました。大好きなお人形が手から離せない・・・・って言う感じで。

帯も、もう、子供っぽい三尺じゃ、格好悪いと言うおかあさんの意見で、
藤井絞りの鬼兵児帯でバッチリ決めて!
鬼兵児は、大人はもちろん、子どもでもかなり決まって格好良いのと、
崩れにくく、そして苦しく無いので、本当にお正月の着物など、楽に一日中着る為の帯としては最適です。

この仕事をやっていて本当に嬉しいのは、お嫁にいったりしても、
「着物」と思っていただいた時に、何年ぶりでも、楽庵にお越し頂けるのは、
ほんとうに嬉しいことで、お子さまを連れて来ていただくと、僕は、もう自分の孫のようで、可愛くて可愛くて・・・・。

親子で代々で、楽庵を使って頂けるというのは、着物屋やっていて、本当に嬉しい限りです。お正月、楽しく着ていただけたかなあ??なんて思いながら、ブログ書かせていただいております。

【きもの楽庵】江戸時代の復刻です!小千谷ちぢみの手付の江戸小紋が完成!

楽庵オリジナルの小千谷縮みの江戸小紋が、ついに出来上がりました。

本麻の小千谷縮み×金田 昇「極徳川鮫」江戸小紋

「小千谷教の教祖」と、お客様から称されるくらい小千谷縮をこよなく愛する楽庵の児玉と、染め物では、その一見では、大変さが分からないところに心血を注いで染められる江戸小紋が、「江戸っ子の粋」と思い、こちらもそのわかって貰える人にわかってもらえれば良いと潔い生き様の江戸小紋マイスターの金田朝政先生が、コラボして、ついに完成しました・・・・。

そのメリットは、お家で洗濯機でジャブジャブ洗えて、それでいて、着物の格式では、完全な礼装でも着れるというもの。

企画段階で、お茶の先生などにお話したら、そんな「江戸小紋出来たら、是非着てみたいわ!」と、まだ、全く出来るかどうか不安な段階から、反響はすごくて、自分でも上手く染めてもらえたら、本当に皆さんに喜んでもらえること間違い無し!と思っていましたから・・・・。

ただのフラットな生地ではということで、少しシボのある縮みの生地で江戸小紋を染めて頂いた金田先生には、本当に感謝ですし、金田先生のその技術力とチャレンジしてくれる姿勢は、敬服以外のないものでもないところです。

こちらが先日、名古屋からの高校の先生たちを連れて工房見学させてもらったときの金田先生です。

写真の着物は更紗なのですが、金田先生は、地引が出来ない他の作家さんのお仕事なども手伝ってあげてるすっごい方なんです。

本来ならば、自分のところの仕事だけでも手一杯なはずなのに、組合の幹部もされていることから、相談されることも多いらしく、かわいそうだからって、引き受けてあげちゃう優しい先生なんです。

だから、僕の無理難題みたいな案件も、頼られてやらなきゃ「男がすたる!」という男気のある江戸っ子なんです。(金田先生、偉そうなこと言ってごめんなさい。)

実は、一昨年から、江戸時代の殿様だって、麻に染め付けていたものを着られていたのですから、是非、麻の江戸小紋を着てみたいとの思いはあったのですが、一昨年は生地も手配できなかったのと、型紙にしても、通常の尺巾の型紙しかなかったので、男物を作るなんて到底無理な事だったのですが、昨年1尺1寸5分(43.5cm巾)の白生地を、ひょんなことから、僕が手に入れる事が出来て、それを金田先生に染めてもらって、紳士の生地幅の江戸小紋を染めていただいたことから、金田先生も型紙を徐々にキングサイズにも対応できる型紙を用意してくれて、今年は、小千谷の染め下地の生地も手に入れられたことから、今回の小千谷縮みの本麻のキングサイズの江戸小紋を作ることが出来るようになりました。

昨年染めた正絹の紳士物の江戸小紋がこちら・・・。

今朝、楽庵の着物好きな男性たちにご連絡して、既に2本が売れてしまいました。(嬉しい悲鳴です!)

今度は、僕の大好きな○吉の生地で染めてもらうことになっており、次回の小千谷縮み江戸小紋もワクワクします。

【きもの 楽庵】結婚式のお手伝い…。

今日は、朝一で、お姉さんの結婚式に出席する弟さんの着付けのお手伝いをさせて頂きました。

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先日、Facebookページ(https://www.facebook.com/KimonoRakuan/?pnref=lhc)で、
今日お召し頂いている紋付羽織の進捗をUPさせて頂いておりました羽織が、コレ!
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毘沙門亀甲の地紋のお召生地に、
自分の名前にちなんで、藤井絞りの「鶴」の額裏に、
陽向須賀縫いで江戸紋の「下り藤」を、五つ紋入れて!
今日は、親族としての清掃なので、羽織紐も、今、もう手に入らない正絹の篭打ちで!

長着は、ChulThaiの板場染め(京都で染めているので、「江戸小紋」とは、敢えて言わない…。)の
「行儀」の単衣。
(本当は、彼自身のは、「畳」という柄の江戸小紋なのですが、袷衣で仕立てていたので、
今日のあまりの好天の天気なので、僕(楽庵代表の児玉)の単衣を着ていただいたのですが…。
たまたま、彼とは、ほぼ寸法が一緒なので…。)

袴は、人間国宝の「甲田綏郎」精巧仙台平の御召袴を、
京都の名人の袴仕立士の河尻先生に仕立てて貰ったもので…。

正直、20代とは思えないバッチリ決まった感じですよね!

実際、彼は、本当に着物が好きで、
海外に行くときも、必ず着物を持って行って、現地で着る位なので、
今回も、普段でも着れて、だけれど、本当に正装としても恥ずかしくなく、
いずれは、自分の結婚式の披露宴でも、着れる着物をってことで、
このようなコーディネイトに!

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和装に持つバッグも、ChulThaiの残布で、京都の「菱屋」さんでオリジナルで作り、
草履も、浅草の本革の型押しに、お揃いのChulThai の誂え鼻緒で!

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この草履の何が凄いかというと、まずそこの革の厚みが、通常の1.5倍~倍くらいあり、
凄くクッション性があり、疲れないという代物で!

久々に、充分にこだわって、贅を尽くした仕事をさせてもらって、
僕としても、本当に満足いける内容で、なによりだし、
本人の自身に満ちた表情・風情が、何よりで…、
久々に、呉服屋冥利に尽きる内容です。

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新婦のお姉さまのお色直しの「引き振袖」のお手伝いもさせて頂いてますので、
そちらも、後日、UPさせて頂きます。
新婦のブーケも、楽庵のお客様で、西東京でかなり大きく花屋さんをされている豊田さんと
打ち合わせして「生花」で、今日の披露宴でお披露目という事で、
昨晩に、ご自宅の方にお届けしてくれたって、ご報告もありました。

今日は、もう一人、男の子のお客様も、結婚式という事で、そちらも、少しお手伝いさせて頂き…、

なんにしても、本当に、こうした御目出度いことのお手伝いをさせて頂くことは、
本当に、うれしい事です!

おっと、これ書いてたら、FBメッセンジャーに、「無事、終わりました!」って、報告が…、
お二方から…。

後日、また、これを肴に、皆で、飲むのが楽しみだな…。

最後に、今回、これが実現できたのも、藤井さんや紋屋さん、お仕立て屋さんなど、それぞれ、
皆様にご協力いただき、本当に「特急」で、仕事して頂いたお陰もありましたので、
ご報告かねて、記事UPさせて頂きました。

きもの楽庵 児玉哲也

 

【きもの 楽庵】熟考した羽織の柄裁ち…

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日本の繭だけをもちいた「純国産」の糸を使用し、丹後のビロード織の機で織りあげた
「純国産 天鵞絨 」の羽織。

昨年、製造したところから、買い取りを頼まれ…、
最初は、お付き合いのつもりで引き受けたのですが、

この生地が、本当に凄かった…!

結局、今年に入って、白生地含め、全部を扱わさせて頂くことに!

“とろーん”としたその生地風合い、
皺になりにくく、
そしてなにより…、
その光沢と色の深みに、すっかりと虜にされた…「純国産 天鵞絨」

今回、「一目惚れ」し、お仕立てをお願いされたお客様は、
以前にも、友禅で羽織を作らせて頂いた方。

約、5~6年ぶりにご来店され、実は、「きもの楽庵」が、外見からは想像つかないほど、
本当は、マニアックなこだわりの店だった(笑)ことに、感動されてご注文頂きました。
(※事実、ご紹介頂いて、お店に初めて来られた方で、外観を見て、「違うだろっ!」って
思われて、帰ってしまい、再度、お友達に促されて、ご来店される方も…(笑)

正直、期待にそぐわないようにという思いと共に、
さらに成長した自分の力もお見せしたい…
裁ち合わせでも、「今、持てる最大限」の力を出したろって!

「薔薇」が天鵞絨で織りだされたこの生地は、「薔薇」の花の向きがあるもので、
なんとか、それが、大事なpointでは、逆さ向かないよう…に、そして、出来うる限り、
柄が途切れることないようにと…。

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特に、羽織は、「後ろ姿」が大切だと思うので…、
後ろ姿に重点おいて、
お太鼓の位置など、お客様の着姿を思い出しながら…。

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衿の柄も、自然に左右とも、なんとなく繋るように…と。

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さらに、この5年で学んだことで、羽織を、和裁の教科書とおりに計算して、
羽織の前巾・後巾などを割り出すと、
特にこのような「長羽織」のばあい、裾のほうで、背中心が、尖るように飛び出すのを
学習しているので、細身に且つ、
写真ではわかりにくいのですが、かなり裾すぼまりのお仕立てに。

ご遠方に行かれ暫くはご感想を聞くことが出来ないけれど、
きっと、そのシルエットの違いは、わかって頂けると信じて…、
納品させて頂きました。

最近、つくづく、感じるのですが、自分もいろんな学びをして、
良いものに触れて…、
初めて、実は、こんな思いで作ってくれてたんだな…なんて、感じることもあり、

着物屋って、つくづく、スタンスの長い仕事で、
今の僕がどこまで、たどり着けるのかな?って、
判れば解るほど、不安になるけれど、精一杯できることをやるしかないなって、思います。

今のスピード重視の社会と逆行してるって思うけど、
僕にはこれしかできないし、こんな事も大切かなって、思うのです。

ありがとう、ございました。      筆責  きもの楽庵  児玉哲也