ぼくが楽庵を選んだワケ

求人に応募する前に一度店舗を偵察見学に行ったその時に、楽庵の店長から「着物を普段着て欲しくて」というワードが出た事が楽庵に応募したきっかけでした。

 


こんにちは。IT業界から呉服業界へ転身して2ヶ月のにいやんです。m(_ _)m

着物を普段着にして数年。
着物自体が(身体にも気持ちにも)心地良い衣服だという事はもちろん、着物がきっかけで人付き合いの和や興味の幅が広まったことが楽しくて、「着物って実は気軽に楽しめるんだよ」という事をもっと沢山の人に伝えたくて呉服業界への転職活動をしだしたのが2012年の2月でした。

呉服業界が低迷していることもあったし、素人を受け入れるということは数年は投資し続ける状態になるわけで、新規求人しているお店がそもそも少ないのが現実です。

そんな中でもやっぱり同じような想いを持っている店に就職したいと考えて、少ない求人情報をみつけては店舗をみにいって、良さそうなら応募をしていました。そんな中で出会ったのが「きもの楽庵」でした。

「着物のディスカウントショップ」という存在自体はじめて知りました。

履歴書を出す前にどんな店かと見に行ったのですが…。赤いテント(?)がマンションの前に張られている外見。テント内部にはきもの関連の小物が山積みになっていて、テントの中をぐるりと囲うように仕立てあがった着物や浴衣が掲げてある。この外見でまず「なんだここは」と身構えてしまいました。

ちょっと大丈夫かなと不安になりながらドアを開けて中に入ってみると、細い通路に高い棚。棚の中にはびっしりと反物が入ってる。ドン・キホーテ?

半巾帯、浴衣反物、遠レシルック(シルックってこんなに種類あるんだ?!)女性襦袢・男性襦袢も正絹からポリまで各種。黒紋付用の反物、紬アンサンブル、友禅から大島、紅花、その他紬系、色無地、などなど。(見に行ったのが3月なので夏物は当時まだ出てませんでした)

「なにこれ勝手に見てもいいの?」という状態。広げても何も言われないから見てもいいみたい。こんなに色々な反物がみれるお店が初めてなので余計に不安になるという。でも自分用の紬にしたいなと思うものがあったりで当初の予定を忘れてしばらく物色してました。

一段上がったところで社長と思われる人物が接客しているのですが、しばらく終わらなさそう。そちらにはもう少し高そうな反物や帯などもおいてあって。と言っても他の銀座や青山のお店に比べれば全然安い。

時間を潰すためにもう少し店内をウロウロ。和装関連の小物が多い。それもちゃんと実用品。小物は安いものもあれば普通の値段のものもという感じ。でもこんなに小物がある店ははじめて見た。足袋を洗うためのブラシなんかも置いてて、こんなん他じゃみたことないですよ。

しばらく様子をみたのだけど、社長はあきそうになかったので、店長(と思わしき)人とお店の品揃えについて雑談させてもらっていた時に、冒頭の言葉がでたのです。
自分自身が特別なものとしてではなく着物を好いている、着物を残すためには普段着るものとして楽しむ人が増えるといいんじゃないかと考えていたので、「着物を普段きてほしくて」という店長の言葉で心が決まり、その場で履歴書を渡したのでした。

社長と店長
社長と店長

その後無事?面接してもらえることになって、閉店後の20時にお店を訪れたのが4月初旬。そしたらこの社長がまた熱いんですよ。

「小売店は仕立ても悉皆もきちんとわかっていなければならない。その上でお客様に最適な提案ができる営業能力がなければならない。」
「着る人が心地良く着られる仕立て、格好良くみえる仕立てを提案できなければ意味がない。」
「小売店もメーカーも問屋も、和裁士さんもクリーニング業者もみんな同士。お互い高めあえればいい。」
「アイデアはどんどん問屋やメーカーを巻き込んで作っていく。より着物が楽しくなる商品が提供できればいい。」
「着物きる人が楽しめるなら良い商品はどこが作ったっていい。他のお店が真似するならそれでいい。小さくなってしまった呉服業界でお互い足を引っ張り合ってる場合じゃない。」

なんか普通に着物談義していたら3時間も話し込んでました。楽庵はそんなお店です。

あと、入社してからわかりましたが、買取で商品仕入れしている事は「いいものを安く仕入れて安く提供できる」という利点に加えて「色々な商品を一度に見れて比較できる」という利点があります。
なかなかいろんな反物の比較をその場でできるお店はないと思うので、楽庵にこられた際にはそういうところもうまく活用してもらえればと思います。

今は色々学べるのが楽しくてしょうがないです。これからはこの店で学んだ話を少しずつ投稿していこうと思います。

#あ、宣伝ちっくになるけれど、銀座や青山の店には負けない…というか置いてないような
#逸品もありますので ( ̄▽ ̄)