【きもの楽庵】ステージ用の高台の誂え草履

通常のお草履の台は、高くても5cm位のものですが、
こちらは、お客様のオーダーで誂えました8cm位の高さのおぞうりになります。
通常のものに下に台2段分を追加したもので、特にこちらのお客様は、
歌手でステージでお履きになられるのと、振り袖などもお召になられるので
特に高さのあるお草履が必要なので、お誂えになられました。

背もそんなにはお高くないのと、Sサイズのおみ足ですので、かなり高く見えますが、ステージでお着物をお召し頂くには丁度良い高さです。

このお草履を作ってくれているメーカーさんは、いろいろな特注に対応してくれて、以前には、股関節の病気で、左右の足の長さが違うお客様のために、
左右で高さの異なるお草履も作ってくれました。

色々足の病気などでお困りのお客様の多い現代では、こうした事で、きものを着やすくすることも大切なことだと思っています。

お履物でお困りのことがございましたら、お気軽にきもの楽庵にご相談いただけましたら、色々対応させていただきますので、ご安心くださいませ。

【きもの楽庵】洗っても大丈夫な紳士の角帯とは!?

 

前回、お話したように、正絹の角帯は、基本的に自宅で洗えません。
生洗いなど、きもの専門の洗い方をしても、あまり良くない状態で
フニャフニャしてコシがなくなり、締りにくくなってしまいます。

それでは、一体、どんな帯ならば洗えるのか?と申しますと…、
麻か植物繊維か、木の内皮などを使った植物由来のものとなります。
こうしたものですと、お家でジャンジャン水で洗えますし、
洗うと新品のようにピシッと皺も伸びて、新品と見紛うように…、
更に締まり具合も変りません。

お手頃なものですと、博多の西村織物さんの「からむし」の角帯

小千谷の手紡糸の苧麻と機械紡績の苧麻とのまじりの麻の帯は、締りもいいです。

無論そうしたことで、一番いいのは、需要無形文化財の越後上布の角帯ですが、
お値段も貼ってしまいますもので・・・。

あと、変わり種ですと、小千谷の折田さんのところの楮糸布(とうしふ)と言いまして、和紙の原料の楮の植物の繊維を糸にしたもので、割れて切れないようにする特許をお父様の強さんがとっておられて、息子さんの一仁さんが手織りでおられています。通常は無地なのですが、こうした捩りのプロトタイプもございます。

もじりの拡大したお写真はこんな感じ。

あとは、北海道の「おひょう」の木の内皮を繊維にした「アットゥシ」というものも…。

こうした植物の天然繊維100%でおられたものは、お家でジャブジャブ水洗い出来ます。

僕自身色々使いますが・・・、無論、越後上布が一番いい感じの締まり具合ですが、予算に合わせて色々使ってみてください。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

 

【きもの楽庵】角帯は洗っちゃ駄目!!

これは、僕がいつも使っている角帯なんですが、手先を半分にして持つと、
本来は、柔らかな組のものなんですが、
ピーンと張って真っ直ぐになるくらいしっかりしているのです。

ところが、同じ角帯を水洗いしたら…、

こんな風にくんにゃりとしてタラーンとなってしまいました。

これは、生洗いなどの揮発系でのドライの洗いでも同じくで…。

正絹の角帯は洗っちゃ絶対ダメです。
フニャフニャになり、締め心地も悪くなり、締りが悪くなってしまいますし、
絹本来の艶も無くなってしまいます。

普通はこんな風に光沢のある艶ですが、

洗うと…、

こんな風に白っぽく、艶がなくなってしまいます。

とにかく、角帯は絶対洗っちゃ駄目です!!

専門の絹用の洗いに出すのも…駄目!

洗っても大丈夫な角帯は…、明日又、お話します!

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

【きもの楽庵】石川県U様ご依頼 別誂え白木の桐右近下駄

こちらは、白木の桐台ののめり右近の台に、
楽庵オリジナルの鼻緒をすげさせて頂いた下駄で、
石川県のU様のご依頼で誂えさせていただきました。
横からの写真ですと、右近型がよく分かると思います。

鼻緒に使ったこの生地は、今は無き、京都の高垣織物さん(菱屋六右ェ門さん)の
「幽玄織」という二重紗を1枚の織物で織った特殊な生地で、
角度により色変わりする織物です。


下駄は履き慣れないとのことで、底側全面にゴムを張って、
滑りにくく、傷がつきにくくしてあります。

浴衣や夏着物は勿論、紬などでは、冬物でも合わせられますし、
爪革をつければ、雨や雪でもお履き頂けます。

石川県のU様、喜んで頂けると良いなあと思っています。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

 

【きもの楽庵】烏畳みのフェルト履きも、もう作れないそうです・・・。

この底は、本フェルトを烏だたみの雪駄に縫い付けたもの…で、
元々は、日本舞踊や歌舞伎の役者さんの楽屋履きに使っていたものだそうです。

僕が、若い時にかなりお世話になった刺繍の先生は、お家でも、よく着物でお過ごしのようで、その時にスリッパはあまりお洒落じゃないのと、パタパタ音がするから嫌だっていうことで、ご注文いただき、浅草の職人さんに作ってもらっていました。

表はこんな感じのカラスだたみで、本当に音がしなくてとても軽い履物です。

お家でお着物の時に、こんな素敵なお履物を履いてらっしゃたら、
さぞかし、素敵な方だと思われると思います。

先日、お草履の職人さんが、「楽庵さんは、本当にいろいろこだわったものを置いてらっしゃいますね・・・。」と、びっくりされてました。

その際、「もう今これだけの仕事が出来る職人さんは居ない」とおっしゃられており、本当に、日本の素敵な本物は、危機的な状況だと思います。

いくらかでも、皆さんに使ってもらえないと、廃れていってしまうもので、一度、廃れてしまうと再度、復興するのは本当に大変なことで、無くなっていってしまうので、是非、皆さん、本物を使ってください。