【楽庵 社長 ブログ】やっぱり涼しかった!!

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【ヘチマ・麻はやっぱりスゴかった!!】

やっぱり、着物のファンデーションが、着物好きの方の「鍵」!!と確信。

検証結果をお伝えしたいと思います。

先日、32〜33度の炎天下のなかを、店長と僕で朝早くから、仕入で歩き回ってきました。

その日は、もう既に駅に向かう時から、蒸し暑く、それこそ、僕が最後に海外旅行に行った学生最後の旅で立ち寄ったシンガポールかと思う程の湿度。

ちょっと、動くだけで、湿気の壁があるような日でした。

少し動くだけで、額からは汗がしたたるような・・・中。

それこそ、あの三ツ星の「濱田屋」さんの前を通り過ぎた時は、水撒き用のホースを見て僕なんか、頭から水浴びしたいと思った程の暑さ。

更にいえば、建物の中に入るとクーラーが効いていて、外に出るとまた暑さが・・・というのは繰り返されると更に、汗は出るわけで・・・。

ただ、そうした中で、発見出来た事が!!

普通の帯板や枕なら、もう既に帯の内側はムレムレなのに、帯と着物の中に手を入れても

全くムレテいない!!!

もちろん、背中の帯枕の下もムレテいない!!!

汗をかかないわけではない。コレだけ暑ければ汗は当然かくわけで、

それを「気化熱」で涼しく感じるんだったと。無論、下着は「柳流の本麻」。

特にパッチ(ステテコ)は欠かせない!R0019690

 

正直、お客様のなかでも、このステテコの形や格好は、抵抗がある方も・・・。はんなりとした色気が「きもの姿」の美しさと思われている方は、抵抗があるという方も多い。

ですが、この暑さですので是非、一度お試しを!!

ちなみに「ヘチマの帯板」は、楽庵では、年間定番の取り扱いをしたいと、メーカーさんに、お願いしてきました。

P1230581 それも、ベルト付きが一番良いと確信!

着物と帯の間にヘチマをいれる事によって、

全くと行っていい程、蒸れない!

涼しさはもちろんですが、「着物」「帯」を傷めない!

お着物は、このムレて・擦れる事によって、「色落ち」や「擦れ」で着物や帯が変色したりして「染み抜き」のご相談を受ける事が多いもの・・・です。

きもの・帯を傷めない為にも、本麻の下着やヘチマの帯板・枕をお勧めします。

そして特に垂れもの友禅の染めの着物などで、汗染みを絶対に避けたい時のオススメは、

あしべ汗取り R0019699

「あしべ織の汗取り肌着」。

汗を完全に吸って、着物に染み出ないようにしたい時はコレ!

特に、写真にあるように脇についた「ベロ」がミソ!

茶道などお稽古をされる方で、真夏にフォーマルを着なければならない方には、欠かせません!

涼しさはもちろんですが、着物を傷めない為にも

「蒸散性(水分を蒸発させる力)の高い」天然の下着を!!

(今更ながら、実体験をもとに確信した事のご報告で・・・。)

 

【楽庵 社長 ブログ】おかあさま(義母)からの贈り物

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このお写真のお着物は、嫁ぎ先のお母様の箪笥に反物で残されていたもの。

楽庵が、開店の頃からのお客様のM様(今は、お嫁ぎされてY様ですが・・・)。

先日、ご主人様とお二人でこられて、おおきな包みいっぱいの着物を、数々、お持ちになられ・・・。
ご主人様の亡きお母様が着物好きでしたそうで、箪笥に沢山、反物が眠っているのからと・・・。

全部で7〜8点でしたが、いまでは高くて、ほとんどないカマボコの桐箱に入ったかなり高級なきものから、ちょっと、反物の耳ヤケした物もありましたが、どれも、生地も染めも上質なお仕事のきものばかり。

さすが、「きもの通」の方がお選びになられた物とお見受けしました。

お二人は、「このまましていてももったいないし、まあ御仕立しときましょう・・・。」と云うような雰囲気でしたが、僕も、店長も、一目で仕立てたらすごく良くなるなあ…と確信して、お仕立をお預かりしました。

今日、奥様が、お引き取りにこられて、

たとう紙を開けた瞬間

「うわあ〜〜。仕立てたら、すっごく良くなったわ!」「色もなんかはっきりしたみたい!」と目を輝かせて・・・、お喜びになられて・・・。

IMG_0931このカップルさんは、お二人とも「お着物好きで・・・」。

先日、僕が、「奥様の着物姿に惚れたんじゃないですか?」と、すこしフザケて話を向けると、「結婚するまで着物姿なんか見たこと、無かった。」し、こんなに着物好きかとは知らなかったとの事。

きっと、これって「おかあさま(義母様)からの、プレゼントだったんですよ。」とお伝えしたい・・・と。

それに、実は今日、奥様がお引き取りにこられた「ほ・ん・と・うの目的」は・・・、

旦那様のお誕生日のお祝いにと、

先日、奥様が一人で来られてご注文頂いていた「綿麻 備長炭の生成り生地の夏着物の仕上がり」をお引き取りにいらしたのでした。

そう、前段の反物の御仕立をお預かりしました時に、僕も着ている「綿麻備長炭」をお見せしておりました。

お家に帰られてご主人様が「良かったなあ・・・。」

「でも、仕立にお金がかかるから今年の夏着物は浴衣でがまんしよう。」って、

おっしゃられていたそうです。

それを聞いた奥様が、後日、お一人で来られて、「旦那には内緒で、今年の誕生日のサプライズ・プレゼントにしよう!」ってお決め頂いていた「待望の男物」をお引き取りに・・・。

今日は、すてきはカップルが、素敵な時間をお過ごしになられる事と・・・。

なんか、O. Henry『賢者の贈り物』 (The Gift of the Magi)、見たいですね・・・。

こんな時間のお手伝いが出来た事が、嬉しくて、BlogUpしちゃいました。

 

【楽庵 社長 ブログ】こんな素敵な誂え・・・出来ます!

 

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すてきな『日和(ひより)下駄』でしょ・・・。
お客様の作られた西陣織の「チリ除コート」の残り裂で、
この方だけのお誂えをさせて頂きました。

花緒も爪革も、共裂です。

一見簡単そうに見えるけれど、
花緒は、花緒を作って頂く職人さんに、
爪革は、爪革の職人さんに。
そして、この三平下駄を作ってくれる下駄やさんに挿げて頂く・・・、
という三者が揃わないと出来ないシロモノ・・・です。

皆さん浅草の職人さんなのですが、高齢なため、先日は爪革の職人さんが体調崩してしまい、だいぶお待ち頂いたお客様も・・・。

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実は、この日和下駄(通称、三平=サンペイ) は、僕の琴線に触れる大好きな履き物です。
まず、名前からして「日和=ひより」っていい響き。
お天気次第で、普通の下駄としても、雨下駄としても・・・。

着物姿にとって、「お履きもの」はとても重要ですし、なにしろ、自分が男性だからか?下足にある「お履きもの」が素敵ですと、「どんな美しい方か?」と想像してしまうのです。

これは、僕の学生時代の同級生のお父様、浅草の「高橋慶造商店」高橋幸男社長の影響もあると思いますが・・・。
僕に「履き物哲学」を叩き込んでくれた恩師です。
会社にお伺いして、1階の工場で、由貴子さん、英明さん(僕の同級生)と話してて、
少しでも声が聞こえると、2階の社長室に呼ばれ、毎回のように1時間くらいの履物講義(お説教??)が・・・。

「君たち、呉服屋さんは高い着物を売っているわりには、店に小物の在庫が少なく、
ましてや、履き物といったら見られたもんじゃない・・・〜〜〜。
着物や帯と、小物・履き物のバランスって、考えてるか??
高級な服を着て、足元はイミテーションのビニール(この社長さんは、合皮をあえて、ビニールと表現されます。)を履くか?
どこの問屋でも扱っているKの特売品などを、安いから・・・と勧めて・・・〜〜〜云々。」と1時間程のお説教タイム。
(正直、このころは、僕も若かって「また捕まるかも・・・。」と恐れていたのですが、
そんなこちらを知ってか知らずか・・・、いつも「履き物哲学」を講義頂きました。
親の言葉じゃないですが、これが後になって、凄く効いて来るんですよね。)

今や、僕は、メーカーさんやArecoleの細野さんにも、足フェチ(履物フェチ)と言われるくらいに・・・。

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このフォルムが、何しろ美しい!
まずは、下駄は「二枚歯」に限る!(あえて、断言しちゃいます。)
洋靴のヒールと同じで、女性を美しく見せる。
この薄歯が、とても小粋で、爪革を外せば普通の下駄としても美しい。
浴衣で履いても、すごく素敵!!です。

一見、か弱そうに見えますが、その歯に埋め込まれた硬質ゴムが、しっかりと足元をグリップする。

そうなんです。このゴムが「三平式」といって、神戸でこの日和下駄の為に専門にゴムが作られていたのです。
でも、この「三平ゴム」も「阪神大震災」で、廃業してしまったそうで、今、残っている在庫が無くなると作れなくなってしまうらしい・・・。

事実、僕も、この「日和下駄」が好きで昔はだいぶとお客さまに購入頂いていたのですが、ほとんど、見かけなくなり、最近まで5〜6年探していたのです。

そしたら、昨年、「足フェチ」仲間の「菊ちゃん」が、浅草で三平ゴムが倉庫に眠ってる所を見つけて来てくれて・・・。

この日和下駄を作られたお客様は皆さん口を揃えて、
「雨の日の着物を着るのが、楽しみになったわ。」と・・・。

お誂えの履き物も沢山、扱ってますので「履き物談義」しに来て下さい!!

 

【楽庵 社長 ブログ】呉服屋…という仕事…。

IMG_0901別に頂き物したから言うわけでなく・・・です。

過日、突然にK様から、頂戴物をしました。

そして、午後には郵便で、直筆の巻き紙のお手紙まで・・・。

(さすが、茶道を長くされ、ご主人様が事業をされている奥様の奥の深さを、まざまざと感じさせられた思いです。)

決して、自慢ではなく…、身の引き締まる思いがした物で、書かせて頂きました。

僕の実家は、木場の材木屋の末っ子だった僕の母が、

一度途絶えてしまっていた実兄の「伊勢 松坂」の呉服屋を、再興したいと母が42歳の時に興した呉服屋です。

次男で腕白だった僕は、「呉服屋を継ぐという気持ち」など全くなく育ったのですが、母親が良く言っていた言葉は、当然のように耳に入るわけで・・・。

「呉服屋は、玄関から入り客間にあげて頂き商売させて頂くの。」

「それだけ、信用されている仕事だからこそ、責任も重大なの。」と・・・。

母のその時の年齢は、とうに超えている今、そうした自分に成れているのかを

改めて自分に問うきっかけの頂き物の気がして・・・。

日本文化・・・どうのこうのと言える自分では無いけれど、

「お客様に信頼される」そんな呉服屋ではありたい・・・と。

先日、あるお客様から頂いたお言葉。

「もしかしたら、私や社長の先祖は、江戸時代の田舎の村人だったかもね・・・」とも・・。

 

 

【楽庵 社長 ブログ】いいものは、美しい!!

 

 

IMG_0923江戸 手組の平田先生の「純国産糸 ぐんま200」を使った帯締め 3タイプ が、揃いました。

ここ最近、平田先生、体調が優れない…との事で心配していたのですが、やはり、その品物を見ると、魂の籠り方が感じられて、少し安心しています。

僕が、一番好きなのは「貝の口組 水引」という組み方なのですが、今回は発色がキレイな物を中心に揃えました。

最初の写真は「綾竹組」。素直に「美しいでしょ!」と、言いたい。

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着物もそうですが、本当に「澄んだ」キレイな色は、元の材料の糸が良くなければ絶対に出ません。

料理もそうだけど、材料・原料って、ごまかしが効かない…。

特に、薄色(料理で言えば、薄味)は、材料の善し悪しを素直に見せてしまうから…。

だから、楽庵は「平田先生」の帯締の中でも「純国産糸」を使ったものだけを取り扱わさせて頂いています。

色目もさることながら、締めたらわかる「その締め心地」は、手組の良さを更に引き立てるから・・・。

IMG_0929今回、初めて取り扱うのがこの「笹波組」のフォーマルタイプ。

秋からの婚礼シーズンなどの訪問着はもちろん、上質な無地感のお召しなどに合わせても…。

帯揚げは、もちろん「唐織」のキレイな色目をあわせて…。

締め心地は、お店に来て頂き、実際に触れてみて下さい!!