【きもの楽庵】新しい江戸小紋の技法「糊流し」

皆さん、「墨流し」というのは聞いたことあると思うのですが、
「糊流し」というのはご存知でしょうか?

楽庵が、よく別誂えの江戸小紋を染めて頂く「金田朝政」先生から、オヤジの代は、よくやっていたんだと言われて、そのサンプルを見せていただいたのが、下の写真の端裂・・・。

正直、ちょっとびっくりしまして・・・。
美濃和紙の型紙での染めでは無いのですが、板場にまずは糊置きして、
そこに、チャンチン(小さなジョウロのような染料を細く垂らすもので、通常は、熱した蝋を糸目として染めるローケツ染に使用する道具で、インドネシア初の染めの技術に使う道具)のような道具で、糊の染料を全体に垂らしてから、
熊手のようなもので描き崩して行く染め方、よく混ぜると下の端切れのように
色がマーブル化するというもので、その後その糊の上に生地を置いて染め付けるものです。

これがチャンチンの道具です。

今回、実際に染めて頂いたときの様子です。

今回は、仕立て上がったきものでお家で選択できるようにということで、
本場大島に染めて頂いたものがコレ!!

染め上がった記事の拡大写真はこんな感じで・・・、
墨流しとはまた違った表情が特徴です。

以前も、重ね型の江戸小紋を染めていただいたり(http://rakuan.jp/archives/3900) と、

https://youtu.be/tYMoetKRrQA

江戸小紋の可能性ってまだまだあるように感じます。

これからも、いろいろなものを作っていきたいと思っています。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

 

【きもの楽庵】長年のお悩みだった半衿のシワ・だぶつきを解消してくれる優れもの「ピッタリ衿芯」

着物を着用するときのお悩みで、
・半衿がだぶつく
・衿元がプカプカ浮いてくる
そうしたお悩みを解決してくれるアイデア商品が出ました!
その名も「ピッタリ衿芯」。

従来の衿芯は、衿山の細いところの巾に合わせているために、
衿先に向かって自然と広がって仕立ててある襦袢の構造的に、
衿芯を入れても、衿の打ち合わせの部分などで
自然と半衿の幅より狭くなってしまう構造でした。

ところがこの衿芯は、左右両方から差込み、衿山で重ねて使用する形なので、
衿にピッタリ合うように形状的に台形になっているものなのです。

  

ですので、半衿がピシッとしわが寄らず、又、衣紋を抜いた後ろ側も
しわが寄らないのです。

 → 

特に既製品の半襦袢など、半衿の縫い付け自体が、直線縫いのものなどは、
特にこの「ピッタリ衿芯」の効果は抜群です!

いろいろ、お悩みの方は、一度ご使用頂けるとよろしいかと存じます。

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也

【きもの楽庵】一生物の楽庵オリジナル草履!本革のレディース草履 お作りしました!!

以前、ホームページにUPさせて頂いた、本革のこだわった「楽庵 オリジナルの紳士の履物」と合わせて、女性者のお履物もお作りしました。

最初のこのものは、牛革に型押ししたもので、女性物の分、かかとが高いので、
段数を重ねるため、サイドからの見栄えが格段に良い草履になりました。

この革は、なめしの加減で、柔らかなフィット感なので、
あえて、天に低反発のクッション材を入れたものの作りました。


↑ほらっ!!
こんな感じに押すと、低反発で、その力が吸収されて…。

他の色目も…。

又、特殊な染めを施し型押しし熱を加えると、その染料が透明になる
本革でも…
コチラはあえて、通常の題の型にして、「シャープでスタイリッシュ」に!

その図柄はペーズリーで!

他の色目はこんな感じ…。

こうしたものも、手入れをちゃんとすれば、一生物のお履物を女性用に
お作りさせて頂きました。

カップルやご夫婦で紳士物と合わせて、足元の大人のペアルックも良いんじゃないですか?

【きもの楽庵】小千谷ちぢみの本麻の着物地で作った鯉口シャツ!

それは、本当にサラリと涼しい鯉口シャツ!

それは、今から5年くらい前に、本当に小千谷縮がお好きなお客様から、
小千谷縮のドレスやアロハシャツを作ってくれないか?とのお問い合わせを頂いたことから、始まりました。

本場物の小千谷縮の生地を使って、お洋服を作る。
その後、大工さんをされている方から、やはり、この小千谷ちぢみで、
お仕事に使う鯉口シャツを作ってくれないかと・・・。

もともと、この鯉口シャツは、袖周りを腕にピチッと合わせることから、
皮膚を保護してかつ作業に支障が出ないように作られたもので、
職人さんやテキヤのお兄さんなどに、よく使われているものです。
なので、作業的には良いですが、袖周りから風を通すことはできにくい構造で…。
なので、小千谷縮のような素材で作ると、その快適さは格段に良くなります。

そして、最近、又、そのことを書いた楽庵のホームページの生地をお読みになられたお客様から、鯉口シャツのご依頼を・・・。

折角だったら、ちょっと洒落たものを…ということで、乱縞のやたら織りの
吉新織物さんの小千谷ちぢみの反物から、写真のような「鯉口シャツ」を作りました。

実際に、コチラを着られると本当に、サラッとして涼しく、たとえ、汗をかいても、すぐ乾くので、本当に気持ち良いと…。

大工さんや植木屋さんにご注文頂くのですが、今までの木綿の鯉口と違って、
本当に心地よいので、仕事の能率も上がると喜んで頂いております。

最近、洋服メーカーさんの化学繊維のサラッとした素材と違い、
やはり、天然素材は、その性能と気持ちよさが持続するとおっしゃって頂いております。
地や縮の素材は、たくさん扱っている楽庵ですので、これからもなにかございましたら、ご相談くださいませ。

文責-きもの楽庵 代表 児玉哲也

 

【きもの楽庵】紳士の雨コート

着物を着る方は意外とあると便利なもの…。それは、雨用品!
中でも、今回は、塵除(ちりよけ)兼用で使える「雨ゴート」!

楽庵に、紳士の方で着物をこれから始めて着ていきたいとご相談される方に
よくお話するのが、通常は、まず着物を用意して、その後、羽織と、いうふうにご用意していかれる方が多く、又、着物も一枚では満足できなくなり、いろんな素材や色のものを買いたくなっていくのが普通だと思います。

だけど、楽庵では、まず、自分の体にあった寸法の着物をちゃんとお作りいただき、次に、帯は、一生物なのでちゃんとしたものを、少し高くても手に入れておくべき、そして、雨用品、着物用の和傘や塵除け兼用の雨ゴート、雨用の履物を、まず、ちゃんとご用意しておかれると、良いと思います。…と、お話します。

と申しますのが、着物を着ていくシチュエーションは、冠婚葬祭とか、何かしらの儀式など、天候に左右されて、日取りを変更できないことが多いもの。
又、ご友人などと食事に行ったり、飲みに行ったりする際に、天候が悪くても、きちっと着物着こなしていると、評判が上がるからです。

なので、こうした塵除け兼用の雨ゴートを持っておかれれば、防寒ゴート代わりにも着れるし、雨の日も安心してお召いただけます。

昔は、既製品などでもこうした物を作ってくれるメーカーが有りましたが、
近年は、なかなか、そうした余裕があるメーカーが無いので、既製品では手に入りにくいものになりました。
又、コート丈も、ちゃんと合うものを探すことは、ほぼ不可能だと思います。

ですので、合繊の素材でもいいですし、最近良く注文をされるのが、昔の大島の着物からこうしたコートを作らせて頂くことが多いです。

袖に袖口を剥ぎますので、おばああちゃんやお母様の残してくれた女性の着物や裄が合わなっかたり、着丈が短かく、着れなかったおじいさんやお父さんから残されたお着物などでもお作り出来ます。

そうした中でも、大島紬の着物は、意外と残されていることが多く、
雨も弾きやすく、軽くて塵除け兼用のコートを作るのに最適な素材です。

なので、使いみちに困っていたけれど、捨ててしまうわけにも行かない大島などのお着物を有効利用されてはいかがでしょうか?

文責ーきもの楽庵 代表 児玉哲也